[プリパラ完走の感想]生まれてきたことこそ 生きつづけてく理由
——「0-week-old」の歌詞がすごい
アニメプリパラを、ザザッとフル完走したら完全燃焼の感がすごかったので自分に向けて個人的な感想を書きなぐることにしました!思うがままに文字を並べている故にすっごく……めちゃめちゃです。
1シーズン目はしっかりリアルタイムでみてたんですよ。
もともとアニメプリリズRLも楽しくみてて……りんねちゃんを探し求めて……だったんですが、プリパラ1シーズンのラストあたりで同じ現象が起こり燃え尽き症候群になってしまったのでそれ以降は浅〜くしか追ってなかったのでした。放送時間変わったんでしたっけ?
再度触れるチャンスを逃し続けてきたわけですが、外出自粛やらなんやらを機に一歩を踏み抜く覚悟を決めてみたのです。
プリパラ離れている時期でも、0-week-oldを聴くことが多かったんですけど……。
ちなみに、ファルルへの気持ちが重い自覚があります。
1シーズンをどのキャラクターの目線で見ていたかといえば(感情移入)ダントツで、ユニコンです!
0-week-old
ほんとうにこの歌はよくて、歌詞にも連続した物語性があって、なおかつその物語が一曲で完結していないのが味わい深くて最高です。顎が外れそうです。
0をゼロと読むバージョンの歌詞では〈私を愛するひとは どこにいるの?〉と歌っていたまだ意識の咲ききらない頃のファルルでしたが、らぁらたちとの繋がりを経てあたたかさというものを知り自我が育ってていきました。キラキラ……。
〈友達の友達はラブ〉という世界で
その先の0をラブと読むバージョンの歌詞では
〈生まれてきたことこそ 生き続けてく理由 愛してくれてそう感じた〉
と、さらに変化しています。
「愛」をうけて目覚めるなんて、まるでむかしむかしの物語でステキです。でもその”愛“がステレオタイプなむかしの“真実の愛”じゃないのですよね。「フローズンキャッスルミラージュ」の元ネタ?で有名な映画のストーリーもそういった愛を描いたものでした。
ひびきは、作中でも「真実の愛」はプリパラにあると言っていたのでこれについて考えると、
みんなのアイドルへの憧れの具現化がファルルであって、夢であって、愛そのものなのかもしれないですね。
〈私はもう世界と 愛に落ちて恋した〉
#86~87にて、静まる夜のプリパラで寂しく過ごしているプリンセス・ファルル、ひびきの夢の告白を聞いて無邪気に夜でもそばにいてくれる人が増えることを無邪気に喜んでいたのに、ふわりの言葉を受けた迷いの末、まほちゃんがボーカルドールになることを止めることを選びました。目覚めたファルルが、ひびきが”眠る“ことを阻止≒目覚めさせる立ち回りになっているのがなんとも巧いです。
初対面の「しらないひと」だった時以外はずっとひびきのことを受容しそばにいたファルルですけど、はじめて否定するのがひびき自身が渇望していた夢なのです。今のままで友達なんだよって。こんなのはまるで一種盧悲恋のようです。つらいです。
ここの一番悲しいところは、ファルル自身は現実世界に出ることはできなくって本物のパルプスに咲くマーガレットを見ることができません。
ふたりで流れ星をみて、願いごとをしていたファルルが幸せそうだったから……悲しくなってしまった……。
〈指先さえ世界に 触れられずに生きてく〉
ファルル自身の力の及ばない願い事……。
だってこの子は、みんなの願いから生まれたので、願いを叶えてほしいです。
流れ星を見たことがなかったファルルに星を見せてくれたのはまほちゃんでしょ? 花を見せてくれるのはだあれ?
とらわれのプリンセス・ファルルがどうしたら幸せになれるのかを勝手に考えて具合が悪くなっちゃった。「らぁらは、夜はいないもの」ってそんな寂しい台詞ないですよ。
うん、あったかいものを知った心は冷たいものも知ってしまうんですよね。
ひびきはプリパラの世界は真実があると言っています。
ひびきにとって永遠の憧れの存在であるファルルはプリパラという世界の象徴でありそのものでもあるわけですね。
真実の……アモーレ?
〈怖がる必要はない これが真実〉
#111から#114にかけてひびきがやっとチーム結成のため「友情」という言葉を口にできるようになるきっかけが、(僕と)ファルルと(僕と)ふわりとの友情ではなくて”ファルル⇔ふわりの友情”と読めるようにもなっています。こりゃ〜すごい。
都合よく乗り越えさせないで丁寧に描かれているところがいいですね。この三人だったからこそこういう形に昇華させられたんだと思うと本当に感慨深いものがあります。これからも一緒に高め合うんだろな〜って思わされます。未来……。
ところでファルルってソラミドレシに合わせて音階名からきているので、同じくF音で出てきた(と思ってる)ふわりはどういう立場になるのかなーって考えてたのですが、
「人工物…(artificial)のファルル」と「自然派(natural)のふわり」で対比になっているんでしょうね。〈これは現実〉〈充実〉うわあ〜このふたりが本物の友情を得て仲良くしているのは本当に尊い絆だあ〜。
ここでキャラデザの話もしたくなるんですけど、ファルルとひびきの髪と瞳のカラーリングが逆になっている対比も大好きです。対称描写が大好き人間なもので……。
お目覚め前のファルルちゃんってボーカルドールらしくて、毛先がお花の蕾みたいにいなっているヘアスタイルだったのもめちゃくちゃ可愛いですよね。もう初期の姿で見ることはないのかな〜名残惜しいな〜って思ってたところに、まほちゃんとのデュオをやってくださいましたので感涙でしかありません。
〈全ての君に芽吹き 広がり 湧くよ生きる力fleurage〉
「Mon chouchou」の振り付けの最後の決めポーズ、お花だー!3人で開くお花!
トリコロールってチーム名がこれまたものすごい情報量をもっててお腹がぱんぱんです。トリコさんとかけてるのもすごいけど、「自由・平等・博愛」って意味を持つ三色で出来てるんですよね。にくいですね。
"愛"なり"自認"の持つ多様性に関連して、七色の旗を掲げてくれてもいいですね、おっと話がずれてしまった。
三人のことを勝手にものがたりチームと呼んでいた。バックボーンにそれぞれ御伽噺なり漫画なり童話なりがあるので……。
プリパリって明らかに満場一致でParisからきてるんだと思うんですけども、パリってなんて呼ばれているのでしたっけ。
花の都ですか?
光の都ですか?
これ、大事なのでテストに出ますだびんち。
花と、光と、星と、愛と、命と、もりもり沢山なMon chouchouだけどしっかりトリコロールらしくまとまっているのがもう素晴らしいです。作詞の三重野瞳さんすごい……。
サビ前に出てくる“種”という言葉があるんですけど、
〈むかしむかしの私 どうかあきらめないで 手を伸ばして愛の種拾い〉
なんだかわからないが既に出ている言葉なんですか!たまげた!
こんなふうにうまく構成されているものを見るのはめちゃくちゃに気持ちがよいです。
愛がこもってるー!涙はノン…?
さて作中でも頻繁にモチーフに出てくる、お花がありましたね。
三者三様な愛のかたちを表すみたいで好きでした。
ファルルの目覚めの鍵の一つにもなっていた赤いアネモネ。花言葉は「君を愛す」で、チックタックフラワーでは「咲かせたい」「届けたい」と掲げていました。
ひびきの象徴のひとつカサブランカには、赤も黒も紫もじつは存在しないのだそうです……。この世は嘘とまやかしという言葉にふさわしい花ですね。
そして白いマーガレットです。花占いにも使われるマーガレットの花ですが一番印象に残っているのは、自然と命のただなかで育ったふわりがファルルにも見せてあげたいと言っていた「パルプスの美しいマーガレット」です。
〈動き出すわ 笑みも痛みもある未来〉
うわ〜っ!#140の授業参観!よかった〜っ。ありがとうございました。
すべてが救いです。何もかもが吹き飛んでしまいまして、女神さまに感謝の意を表します。
世界に愛されている!
この話のなにが素敵だと思ったのかというと、最初に立ちはだかるボス的立場で登場したファルルにちゃんと救いや希望があったということ。
友達の友達はラブなのですね。
世界に愛されて目覚め生まれたファルルにも、生きるにはなにか理由が必要で、それを知ることってなかなか難しいです。
みんなの願いの結晶であるファルル自身の願い、きっと叶うといいですね。今こそ革命の時です!
いつか本当の流れ星も、野山に咲くマーガレットも、そのキラキラの瞳でみておくれ。新しく切り拓き広がる彼女たちの新しい世界では、微笑みの未来が待っているはずだと思わせてくれるのが本当に嬉しいひとりの視聴者でした。
〈生まれてきたことこそ 生き続けてく理由 愛してくれてそう感じた〉
生きる理由が分からなくてつらいな〜っていたときに聴くプレイリストあります。静かにひっそり聴きたい音楽。そのうちひとつが0-week-old。今まではゼロウィークオールドのままだったけど、プレイリストにはラブウィークオールドを加えておこう。
これが生きる力になっています。すごい。命の香り。
PS> 何となくセーラームーンを見始めたら、「まほちゃん」のあだ名は「まもちゃん」から来ているのではと思い当たってしまって、苦しくなりました。仮面のプリンス……。